板門店でチェロ
先月27日、韓国と北朝鮮の軍事境界線のある板門店で、韓国・文在寅大統領と北朝鮮・金正恩委員長が首脳会談を行ってから1年を記念する式典が行われ、アメリカのチェリスト、リン・ハレル(75)はこの式典の冒頭、まさに板門店のゲートの前で、バッハの組曲1番プレリュードを演奏したそうです。
リン・ハレルがフェースブックでシェアしていた朝鮮日報の写真。
韓国KBS放送が中継した映像。
式典では他に、日本からフルート奏者の高木綾子さん、ピアノの上原彩子さんが演奏した他、中国出身のチェリスト、ジャン・ワン(50)もバッハのアリオーソをチェロ四重奏で演奏(25分すぎから)。韓国からはBoAさんも出演し、各国のアーティストが南北融和を祝う雰囲気を作っていました。
ただこの式典、韓国の呼びかけで開催にこぎつけたものの、 一年前の南北会談で両首脳がうたったように事態は進んでいないことを反映してか、 北朝鮮からの式典参加はなく、韓国の文大統領もビデオメッセージで出演しただけ。 政治的なイベントとしては微妙なものになってしまったようです。
日経新聞はこのように表現。
…米朝の仲介役を自任してきた文氏が置かれた難しい立場をかえって印象づける結果になった。
[南北会談から1年、韓国が記念式典 北朝鮮は参加見送り、溝浮き彫りに - 日経 19.04.27]
もし、南北の融和が順調に進んだら、板門店でバッハを奏でるリン・ハレルの姿は、一つの象徴的映像になることでしょう。
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