ジョシュア・ベルの地下鉄「路上ライブ」実験

朝のワシントン中心部の駅構内、バイオリンの路上ライブ演奏に人々はどれだけ足を止めるか? 特にそれが米国を代表する奏者ジョシュア・ベルと彼のストラディバリのバイオリンだった場合には…。

Pearls Before Breakfast [Washington Post Magazine 07.04.08]

結果は、43分間で通り過ぎた1097人中、ベルだと気付いたのは1人だけ!ほとんどの人は気にも留めず通り過ぎる…集まったお金は32ドルとちょっと。

最も美しいはずの音楽が目の前で演奏されていても、忙しい現代人は気づかずに通り過ぎてしまう、というちょっとイジワルな「実験」ルポ。

表題の "Pearls Before Breakfast" は "pearls before swine" (豚に真珠, 聖書・マタイによる福音書07:06) に掛けているのが明らかで、だからいっそう筆者の意地悪さを感じます。

YouTubeにアップされたそのときの映像。

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9 Comments

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チェリ  

ドッキリカメラ?

えっ、あのRed Violinのジョシュア ベルが?と、惹きつけられ、じっくり読もうと、印刷したらこれが長い、長い。ずい分ワシントンポストも力を入れた実験(?)だったのですね。12ページもありました。
時間のあるときに読んでみるとして、飛ばし読みをした感じでは、なんだかドッキリカメラの念の入ったバージョンかしらと。。。
あの駅を通る通行人(お役人が多い?)のせいなのか、ニューヨークだからなのか、まさか東京駅で諏訪内晶子さんとかが同じことしたらどうだったんだろう?
確かにチョッと意地の悪い実験と言う印象はありますね。ゆっくり読ませていただきます。

2007/04/13 (Fri) 15:21 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

> チェリさん
僕も飛ばし読みですが、毒のあるユーモアというか、実に念が入った悪戯だと思いました。
場所柄を考えれば、最もソフィスティケートされていると思われている(らしい)政府系官庁職員がターゲットでしょう。

女性だと、女性の路上演奏者というだけで珍しい(?)ので足を止めてしまいそうで、実験として成り立たないように思いますがどうでしょう。

まじめにこの記事を読むと「音楽の美しさなんて幻想だ」という趣旨にとって怒る人がいるかも知れませんが、心と時間に余裕を持って正面から向き合わないと鑑賞できない美もある、ということかと思います。

2007/04/13 (Fri) 18:55 | EDIT | REPLY |   

チェリ  

演奏聴きました

ためしに44分の演奏ヴィデオ聴いて見ました。映像はありません、音だけ。駅の雑踏のいろんな音が入っていてまるで映画の中みたいでした。
画面無しで聞いたら情景に一番合っていたのがシャコンヌでした。とっても合わなかったのがシューベルトのアヴェマリア、なぜかわからないけれど。
終わりの方に又シャコンヌが弾かれて、あ~、ヤッパリこれが合うと思いました。不思議に駅の雑音や、子供の泣き声などが雰囲気のある背景になってるのです。まぁ、私の感じ方はかわっているかもしれないけれど。

2007/04/14 (Sat) 00:22 | EDIT | REPLY |   

まかべ  

無伴奏 シャコンヌ

映画「無伴奏シャコンヌ」を思わせる実験ですね。パリのメトロの構内で、落ちぶれたかつての世界的ヴァイオリニストがシャコンヌを演奏する・・・というストーリー。映画では、身の演奏にフィスティケートされていない人々がが救われる、というラストでした。(^_^)
たしかこの映画のシャコンヌの演奏を担当しているのもベルだったと思います。(たいていの映画の中のヴァイオリン演奏はこの人な気がするなぁ)

2007/04/15 (Sun) 20:25 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

伏線?

チェリさんのRed Violin、まかべさんのシャコンヌの映画のことも知りませんでした。さすがによくご存知ですね。今回の実験の“伏線”にはそういうこともあったかも知れませんね。

2007/04/15 (Sun) 23:31 | EDIT | REPLY |   

まかべ  

訂正!

「無伴奏 シャコンヌ」の中のヴァイオリン演奏はギドン・クレーメルでした。

2007/04/16 (Mon) 08:35 | EDIT | REPLY |   

チェリ  

ベルの吹き替え

そういえば、<ラヴェンダーの咲く庭で>でもジョシュアベルが弾いていました。

2007/04/16 (Mon) 16:08 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

パルティータ

> チェリさん

僕もその後もう一度演奏を聴いてみました。パルティータって、チェロの無伴奏組曲もそうですが、無色透明というか、聴く人の心を映す鏡みたいなところがありますね。

ラベンダー…も確かにジョシュア・ベルですね。こんなにメジャーな演奏家だとは正直言ってこれまで知りませんでした。ますますワシントンの人が彼に気づかなかったのが不思議です。

2007/04/16 (Mon) 19:31 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

クレーメル

> まかべさん

情報ありがとうございます。
クレーメルもよく映画の仕事があるようで、ナターシャ・キンスキーがクララ・シューマンを演じた「哀愁のトロイメライ」でパガニーニ役を演じた(演奏も)とありますね。

2007/04/16 (Mon) 19:34 | EDIT | REPLY |   

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