曲がったエンドピン

先日の記事へのコメントで教えていただいたポール・トルトゥリエ(1914-1990)の曲がったエンドピンの話が面白かったので。

トルトゥリエのエンドピンについて、ご存知かもしれませんが、長いのではなく、曲がっているピンだと思います。トルトゥリエの発明したもので、私のチェロも譲り受けた最初はトルトゥリエの刻印の入った曲がったエンドピンがついていました。あんまり長いと床に刺さらず滑る可能性があるためです。
なぜそんな事をしたかというと、かっこ良いからではなく(^^;;、ハイポジションや運弓のメリットのほか、音響的にコンサートホールの最上階の人にもちゃんと音を届けたいと考えて色々実験をした結果です。
(確かに私が大昔、トルトゥリエの多分2回目の来日コンサートで上野文化の最上階で聴いた時もはっきりとぼやけずに美しい艶のある音がレコードと同じように聴こえて大変驚きもし感動もしたものです)
この効果はロストロポービッチもトルトゥリエに教わって、試聴し、確かに効果があると言う事で自分でも真似しました。.... (by goshuさん)

実物はYouTubeにあるバッハ無伴奏組曲1番プレリュードの演奏で確認することができます(画像はそこから)。

たしかに曲がっている....

このエンドピン、トルトゥリエに師事していたジャクリーヌ・デュプレ(1945-1987)も一時使っていたらしいのですが、試作品の強度が十分でなかったためデュプレの激しい演奏に耐えられず何度か折れてしまい、結局もとに戻したのだそうです(Jacqueline du Pré, Elizabeth Wilson Google Books)。

このエンドピンは"外付け"でチェロ本体の中に収まらなかったらしいのですが、その後たたんでしまえるようにした「屈曲」エンドピンを Stahlhammerという人が発明したのだそう。

[※後日追記: このエンドピンを使っているエマーソン弦楽四重奏団のチェリスト(当時)、デヴィッド・フィンケル氏の解説ビデオ]。

他にも、ガブリエル・リプキンなども曲がったエンドピンを使っているようですね。

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6 Comments

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ダンベルドア  

トルトゥリエ駒

トルトゥリエは息子のヴァイオリンをチェロのように立てて弾くと鳴りにくくなる事に気がつき,ヴァイオリンのように出来るだけチェロを寝かせるためにこのエンドピンを発明したそうです。

またトルトゥリエ駒というのも発明しました。G線,D線がA線,C線に比べ音がこもりやすいのは,左右の弦で動きが妨げるからではないかと言う発想で,駒の中央に切れ込みを入れてD,G線の振動を解き放つようにしたそうです。(「ポール・トルトゥリエ―チェリストの自画像」による)いまだに見たことはないですが。

2009/04/02 (Thu) 23:54 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

Re: トルトゥリエ駒

> ダンベルドアさん
ありがとうございます。駒もですか。まさに飽くなき音への追求ですね。

2009/04/03 (Fri) 00:08 | EDIT | REPLY |   

morpheus-cello  

先日目の前で曲がったエンドピンを…

久々にコメントさせていただきます。
先日、リプキン氏がソロでサン=サーンスのチェロ協奏曲を弾かれたので、聴きに行ったのですが、やはり曲がったエンドピンをお使いでした。
椅子も専用のものを持参されたようです。
思っていたより安定感があり、演奏はもちろん素晴らしいものでした。

2010/01/24 (Sun) 23:45 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

> morpheus-celloさん

あ、リプキン氏、来日していたようですね。やはり曲がったエンドピンでしたか....ありがとうございました!

2010/01/25 (Mon) 21:49 | EDIT | REPLY |   

どり  

トルトゥリエのお弟子さんで、前東京交響楽団のボーマンさんも途中で曲がっているエンドピンですね♪
堤剛さんはお弟子さんですが、まっすぐだったような…。

2018/05/11 (Fri) 17:32 | EDIT | REPLY |   

yoshi  

> どりさん
コメントありがとうございました。ベアンテ・ボーマンさんも使っておられるのですね。演奏中の写真をさがしてみたら確かにそう見えました。
堤剛先生はシュタルケルに師事していましたからどうでしょう?シュタルケルは曲がったエンドピンのStahlhammerに推薦の辞も寄せていますが、シュタルケル自身は使っていたかどうか。
シュタルケルの自伝の中にエンドピンの議論について書かれている部分があって、その中で確かにトルトゥリエのような曲がったエンドピンにもふれているのですが、ようするに体の大きさにもより、大事なのは腕が自由に動くこと、というようなことを書いています。

2018/05/11 (Fri) 22:02 | EDIT | REPLY |   

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