善福寺手帳

ぜんぷくじてちょう

アウシュビッツのチェリストが議会でスピーチ

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yoshi/吉岡
ドイツの連邦議会で31日、メルケル首相ら閣僚も出席した中、ホロコーストの犠牲者を追悼するために、アウシュビッツ収容所に入れられながらチェロが弾けたために収容所のオーケストラで弾かされ、そのため生き延びることができた女性、アニタ・ラスカー=ウォルフィッシュさん(92)に議会で体験を語ってもらったのだそうです[Deutsche Welle 18.01.31 slippedisc経由]。 チェロを弾く少女アニタ―アウシュヴィッツを生き抜いた女性の手記

アニタさんは「このようなことは二度と起こってはならない」と20分余りのスピーチ[YouTube]を終えると、メルケル政権が移民に寛容なことを賞賛したくだりでは沈黙していた野党・極右政党AfDの議員たちも全員が起立してアニタさんに拍手を送ったそうです。

アニタさんの収容所における体験は手記が出版され日本語版も出ていますね(「チェロを弾く少女アニタ―アウシュヴィッツを生き抜いた女性の手記」原書房,2003)。

また、この日、アニタさんのスピーチに先立って、アニタさんの息子でイギリスのチェリスト、ラファエル・ウォルフィッシュ氏(64)により、ユダヤ人作曲家ブロッホの「祈り(Prayer)」が議場で演奏されたそうです。 180202.jpg

8分で描くヨーヨー・マの肖像画

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yoshi/吉岡

アメリカ・ワシントンDCの小学校をヨーヨー・マらが訪問したときのようす。 パフォーマンス画家のDavid Garibaldi氏が、音楽に合わせて手とペイントで力強く描いたのは、ヨーヨー・マ! 感激したヨーヨー・マは…(最後の10秒間)。

アメリカの国立の文化機構であるケネディセンターは、芸術教育に力を入れる小学校に一流の芸術家たちが訪問するTurnaround Artsというプログラムを実施していて、 ヨーヨー・マは以前にも小学校を訪問して演奏していました。 この日はバイオリンのジョシュア・ベル(ヨーヨー・マの隣に座っている)と一緒に弦楽合奏を指導したよう。

子どもたちの中に入っていっても、ヨーヨー・マ自身がまるで子どものようなのがおかしい。

***

このときのワシントンポスト紙の記事 [WPost 17.02.08]にあった、子どもたちの質問に対する答え。「本番前の緊張をどうしたら止められますか?」 ヨーヨー・マ「自分の誕生日パーティだと思えばいいんだよ」。ジョシュア・ベル「お客さんがみんなトイレに座ってるところを想像するんだ」。

ソッリマによる氷のチェロの演奏

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yoshi/吉岡
きのう29日夜、イタリア北部の街トレントの科学博物館MUSEで行われたジョバンニ・ソッリマによる氷のチェロの演奏会の動画。

[追記02.03: 当初公開されていたFacebookの動画が削除され、YouTubeからあらためて公開されたので、それに合わせて差し替えました。]

ソッリマの演奏が始まるのは、主催者や氷のチェロ製作者Linhart氏のあいさつの後、開始23分くらいから。ソッリマはバッハの無伴奏組曲1番プレリュードなど、古典から現代まで幅広い曲をたっぷり1時間、本気の演奏。

ソッリマと氷のチェロは、温度を低く保つためか透明な球体に覆われ、この球面が結露で曇るのか、時々スタッフが表面を拭いていました。

氷のチェロはこの後、冷凍コンテナ車に載せられてベネチア、ローマと巡り、2月10日にシチリア島のパレルモで演奏された後、地中海に投下されて水に還されることになっているのは前の記事で書いた通り。

[後日追記: このうち2月3日、ローマのディオクレティアヌス浴場で行われた公演では、上述の球体が“技術的な理由”で使えず、かわりに演奏中ずっとスタッフ4人がかりでドライアイスを漉し器のような物でふりかける、なんだかシュールな光景がライブ動画に映っていました。]

氷のチェロ、不思議な響きがしますね。 ice_cello.jpg

ルトスワフスキ国際チェロコンクール

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yoshi/吉岡

ルトスワフスキ国際チェロコンクールが明日30日から2月10日まで2週間に渡ってポーランドのワルシャワで開かれるそうです。 ポーランドを代表する作曲家ヴィトルト・ルトスワフスキ(1913-1994)の名前がついたこのコンクールは、 1997年から2年毎にワルシャワで開催されているチェロだけの国際コンクール。

Witold Lutosławski International Cello Competition [公式サイト]

参加者一覧(Participants)のところを見ると、今回も世界各国から約50名が参加し、日本からも4名のかたが参加されているようなのでがんばってほしいです。 美しき夕暮れ 中木健二

そして今回、審査員(Jury)のところを見ると、ゲリンガス、メネセス、ウィスペルウェイといった巨匠たちに混じって、日本の中木健二さん(東京藝術大学准教授、2005年のこのコンクールの優勝者)が審査員に! 日本からは以前、堤剛さんが審査員をつとめておられましたが、今回の審査員の顔触れの中では、中木さんはひときわ若いのではないかと思います。

きょう29日現地時間18時30分(日本時間30日2時30分)からは、中木さんも出演するオープニングコンサートがあり、 そのもようはライブストリームがあるようです。[追記: 放送は終了しており、確認できませんでした。そのかわり、大会公式フェースブックページに写真。]

このコンクールの成り行きに注目したいと思います。lutoslawski_logo.jpg

妖精の踊り

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yoshi/吉岡
フランスのゴーティエ・カプソンのマスタークラス・シリーズの、今月22日にパリで行われた受講生コンサートでの日本の三井静さんの演奏。

この日のコンサート全編はmedici.tvで視聴できるようになっていました→The concert of laureates (3) [medici.tv]

三井さんはこのコンサートのトリでシューマン「アダージョとアレグロ」Op.70とこのポッパー「妖精の踊り」Op.39とを演奏。 このマスタークラス・シリーズをずっと見ていますが、三井さんは6人の受講生の中では、年齢が一番上ということもあるかも知れませんが、存在感でも演奏でも一人頭抜けた存在という気がしています。

このシリーズ、まだ3月、5月、6月にコンサートがあるようなので、楽しみにしたいと思います。

今週の練習

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yoshi/吉岡
日替わりエチュードは、先週からのぶんも含めて、シュレーダーの161番、107番、111番、それにポッパーの12番。

先週末は父の一周忌で、チェロを触らず。実は去年、13年余りのレッスンで初めて1回だけキャンセルしたのは、長く静かに過していた父が亡くなった時だった。それからも一年経った。

引き続きバッハの組曲4番。今年の初めにプレリュードを 「どこか天井の高い、響きを助けてくれる場所」で弾いてみたいと書いたけど、イメージしているのは、音楽ホールというよりは誰もいない教会や学校の廊下、それに階段ホールといったところで、そういうチャンスがあったらいいなと思っている。bach_suite4.png

あとは、明日合わせるベートーベンの交響曲第7番の譜読み。

ソッリマが氷のチェロを弾く

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yoshi/吉岡
イタリアのチェリスト、ジョバンニ・ソッリマ(55)は地球の水資源の問題を訴えるプロジェクトの一環で氷のチェロを弾くイタリア国内ツアーをするそうです。

このツアーは、29日の夜、イタリア北部トレントの科学博物館MUSEでの演奏を皮切りに行われるもので、氷のチェロは冷凍コンテナ車に載せられてベネチア、ローマと周り、最後はシチリア島のパレルモで演奏されたあと、地中海に投下されて水に還されることになっているのだそうです… [ladige.it]

チェロを製作しているのは、氷の楽器製作で以前から時々話題になるアメリカの芸術家Tim Linhart氏。Linhart氏がソッリマの弾くチェロを製作する様子がイタリアのニュース映像になっていました。

ソッリマが氷のチェロを演奏するようすは、きっと後日、映像つきのニュースが出ると思うのでチェックしたいと思います。ソッリマの熱い演奏で氷のチェロが溶けてしまわないか、心配なような、楽しみなような…

飛行機の格納庫でチェロ

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yoshi/吉岡
航空会社スターフライヤーの企業ブランドイメージ動画。たまたまウェブの広告で見て目をひかれました。

[公式HPより。公式Facebookにはメイキング映像も]

演奏しているのは、チェリストの灘尾彩さんだそう。撮影は、ほんものの飛行機の格納庫を使って行われ、スターフライヤーの始発便よりも早く朝の4時に始まった撮影でも灘尾さんは「寒さを感じない」と言ってやり通したのだそうです。starflyer.jpg

キアン・ソルタニのライブ

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yoshi/吉岡
きのう23日夜、ベルリンで行われたキアン・ソルタニ(25)のリサイタルがオンラインで見られるようになっていました。 クラブのライブのようにクラシック音楽を聴くYellow Loungeというシリーズのリサイタルを、ドイツのメディアDie Weltがフェースブック上でライブ中継したもの。

このライブ、入場料はたった7ユーロなのだそうで、お客さんもリラックスした雰囲気がなんだか楽しそう。 Home Kian Soltani

曲は、2月に発売されるデビューアルバムからシューマンの歌曲「君は花のよう(Du bist wie eine Blume)」、 幻想小曲集Op.73第3曲、シューベルト歌曲「夜と夢(Nacht und Träume)」、それに彼のルーツ、イランの民謡(Persian Folk Song)から3曲。 アンコールは、トーマス・デメンガ作曲の"New York Honk"という曲で、チェロでニューヨークの街の喧騒を表現したところがおかしい。

観客と演奏者が近い雰囲気のライブでこれだけの技術と表現力なのだから、この人は若いのにすごいチェリストだと思います。

この日は、バイオリンのリサ・バティアシビリのライブもあって、キアン・ソルタニはその後半にも登場して、二人で「パッサカリア」を演奏。

ヤニグロ生誕100年に155人のチェリストが集合

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yoshi/吉岡
この1月21日は20世紀の偉大なチェリストの一人、アントニオ・ヤニグロ(Antonio Janigro,1918-1989)の生誕100年ということで、ヤニグロが後半生を過ごしたクロアチアのザグレブで記念コンサートが開かれたそうです。

このコンサート、ヤニグロに師事したチェリストたちを中心にザグレブのヤニグロ協会が、生誕100年を記念して100人のチェリストで演奏しようと募集したところ、クロアチア全国から155人もが集まったので、全員出演してもらったのだそうです。演奏した曲は…

[クロアチアvecernji.hrより]

この日、ステージに立ったヤニグロの弟子はトーマス・デメンガ(この方は日本の新倉瞳さんがスイスで師事する先生ですね)、ユリウス・ベルガーら。ヤニグロは他にもマリオ・ブルネロジョバンニ・ソッリマアントニオ・メネセスといった現代の名手たちを多く育てた先生でもあります。2009年5月のヤニグロ没後20年には、これらの弟子たちが勢揃いしてヴィラ=ロボスのブラジル風バッハ第1番などを弾いたコンサート[YouTube]が開かれていて、そのときも大勢のチェリストたちが加わっていますから、クロアチアにもチェリストたちのしっかりとしたつながりがあるのでしょう。180123.jpg

YouTubeに残っているアントニオ・ヤニグロの演奏で、フォーレ「夢のあとに」。