善福寺手帳

ぜんぷくじてちょう

パリのヨーヨー・マ

11日、第1次世界大戦から100年の式典で演奏したヨーヨー・マは、それに先立って9日金曜日、パリのマドレーヌ寺院にある、路上生活者や難民のために一流シェフが腕をふるうレストラン、レフェットリオ(Refettorio : Foyer de la Madeleine)を訪れてエプロン姿でウェイターをつとめるとともにチェロの演奏のサービス…
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Merci @yoyoma.official for playing at the Refettorio ❤️

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ここでは明るいバッハの無伴奏組曲第3番を演奏。

レフェットリオの活動については、詳しい記事がありました。→ボランティアが殺到 世界一のシェフが手がける「無料レストラン」 [Forbes Japan 18.06.16]

また、11日の式典を終えて12日には、市内の劇場バタクラン(Bataclan)の前を訪れて、バッハの無伴奏組曲第5番を演奏。ここは3年前の11月13日に起きたパリの同時多発テロ事件で多くの犠牲者が出たところ。

ヨーヨーマが第1次世界大戦終戦100年式典で演奏

きょう11日、パリの凱旋門で第1次世界大戦の終戦100年の記念式典が行われ、ここに集まったフランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル首相、ロシアのプーチン大統領、そしてアメリカのトランプ大統領らの前でヨーヨー・マがバッハの無伴奏チェロ組曲5番サラバンドを演奏していました。

[同じ映像はBBC World Newsのツイートにも]

トランプ大統領のために演奏することに否定的だったヨーヨー・マですから、トランプ大統領にとっては貴重なヨーヨー・マの生演奏を聴く機会ではなかったかと思います。

ヨーヨー・マは、9.11のテロ事件から1年経った追悼式典のときにこの5番のサラバンド、10年経った式典ではこれよりも癒しと光を感じさせる1番のサラバンドを弾いていました。

今回の式典でヨーヨー・マが弾くと聞いたとき、バッハの無伴奏チェロ組曲1番から6番までのどれかのサラバンドを弾くのではないかとは思っていましたが、この5番を弾いたのは意外でした。第1次世界大戦から100年経ったとはいえ、決してそれは遠い過去のものではないというヨーヨー・マのメッセージ──というほどではないにしても彼の見方──が込められているような気がします。

(※追記 ロシアのプーチン大統領は、ヨーヨー・マのチェロを聴きながら涙ぐんでいた、と書いている英タブロイド紙もありました[Evening Starndard]。動画を見るとたしかにそう見えなくもありません。)

このあとヨーヨー・マはフランスのバイオリニスト、ルノー・カプソン(チェロのゴーティエ・カプソンの兄)と、ラヴェルの「バイオリンとチェロのためのソナタ」第3楽章を演奏[dailymotion]。またEUユースオーケストラがラヴェルの「ボレロ」を演奏。ラヴェル(Maurice Ravel, 1875-1937)は、第1次世界大戦のとき志願して従軍していたのだそうで、フランスがこの大戦を思い出すとき選ばれる音楽としては自然だったのだろうと思います。

「題名のない音楽会」に2CELLOS

10日放送のテレビ朝日「題名のない音楽会」に2CELLOSが出演していました。案内役に、さいきんチェロを強力に応援してくれている高嶋ちさ子さん。

「題名のない音楽会 高嶋ちさ子が絶賛!凄腕チェリストの音楽会」[テレビ朝日]

演奏したのはマイケル・ジャクソン「スムーズ・クリミナル」、マンシーニ「ムーン・リヴァー」、ヴィヴァルディ「四季」から「夏」、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、レナード・コーエン「ハレルヤ」の5曲。再放送はあす11日8時からBS朝日で。

2CELLOSは今月19日、武道館で公演があるそう。

あらためてこの2人の演奏を聴いて、チェロ2本でも音楽が完結できるアレンジが──もちろんこの2人の高いテクニックがあることが前提ですが──うまいなと思いました。

番組の中でも弾いた「パイレーツ・オブ・カリビアン」。収録は母国クロアチアのアドリア海に面したドゥブロヴニクで、カラカという16世紀当時を復元した船を実際に使ったのだそうです。

チェロの盗難がスピード解決

アメリカのサンフランシスコで6日夜、チェロとギターが車上荒らしの盗難に遭ったものの、フェースブックなどネットでつながった協力者のおかげで、翌朝、楽器を取り戻すことができたのだそうです[J. News of Northern California 18.11.08]

このチェロは、YouTubeでよく見かける、チェロを弾きながらロックやブルースを歌うバンドDirty CelloのボーカルRebecca Roudmanさんのカーボンファイバーのチェロ。 彼女は、サンフランシスコ近郊のいくつかの交響楽団で弾くかたわら、このチェロでバンド活動もやっているのだそうです。

レベッカさんと夫でギターのジェイソンさんは、盗難に遭うとすぐに警察に通報すると共に、フェースブックに書き込んで協力を要請。 カリフォルニア州には楽器の盗難紛失の情報交換をするFind my Gear Californiaというフェースブック・グループもあるのだそう。

翌7日朝、書き込みを見た人から、チェロとギターがオンラインの売買サイトに出ていて、これから売主に接触する、と連絡。 マクドナルドの駐車場で売買交渉をして時間を稼ぐ間にレベッカさんらがかけつけ楽器を奪還、犯人と疑われる売主は逃走したのだそうです。

売主の提示は「ギター2本、1300ドル(約15万円)」だったらしいので、1つのケースの中身がチェロだということもわかっていなかったよう。

レベッカさんらは詳しい顛末と早期解決への感謝のことばをフェースブックに書き込んでいました。

楽器の盗難のとき、メディアなどで情報が広がると解決につながることがありますが、 フェースブックなどSNSでの拡散がメディアが取り上げるより早く解決につながることもあるんですね。

Dirty Celloが今年9月に投稿したオリジナル曲の演奏。

「バーモントのチェリスト」が当選

アメリカで現地6日に行われた中間選挙で、 対立する共和・民主両党の候補者が公開討論会でデュエットをして話題になったバーモント州議会議員選挙に、 民主党の候補でチェロを弾いたルーシー・ロジャースさん(23)が、ギターを弾いた共和党のザック・マヨ候補(29)を破って当選したそうです[AP]。

若い二人の候補者がデュエットをしたのは、両党の対立が激しい今の情勢にあっても政治は礼節を保ち、互いを尊重し合うべきだということを示すためだったと言っていました。その言葉の通り、敗れたマヨ候補は開票後、支援者に感謝すると共に、相手のロジャース候補を称え励ます投稿をフェースブックにしていました。

当選したロジャースさんは、これからきっと忙しくなるでしょうから、チェロを弾く時間があるかどうか心配ですが、がんばってほしいです。

「走るビオラ」が今度は自転車に挑戦

去年、ビオラのコスプレマラソンの世界記録を樹立したイギリスの王立バーミンガム音楽院の「走るビオラ」ことAlistair Rutherfordさんが、今度は自転車に挑戦するそうです[ClassicFMより]。

「走るビオラ」あらため「サイクリング・ビオラ」は、今度はひとりでなく、同じ音楽院のピアニスト Anthony Hewittさんがトイレのコスプレをして、二人で今月20日から国際ビオラコングレスが開催されるオランダ・ロッテルダムまで180マイルを自転車で走って現地入りするのだそうです。

ふたりの目的は、これまでの「走るビオラ」と同じく、アフリカの子供たちに音楽教育の機会を与えるプロジェクトへの募金を呼びかけること。180マイル(約290キロメートル)を日本でいうと、東京から東海道を豊橋くらいまで走るかんじでしょうか。

相棒がなぜトイレのコスプレかというと、ドイツの作曲家でビオラ奏者でもあったヒンデミット(Paul Hindemith, 1895-1963)のDie Bratschenfimmel (ビオラ狂い)という劇作で、ビオラが下手でトイレに流されてしまう(!)役が出てくることにちなんでいるのだそうです。ヒンデミットは難しい曲を書いた人という印象しかありませんでしたが(すみません)、作曲以外にも劇作など興味深い活動をした人で、またビオラ弾きにとっては重要な存在なんですね。

先週の練習

日曜日、本番が迫った所属オケの練習が熱を帯びてくる。トレーナーの先生からは「そこはコンミス見て」など細かく指摘を受ける。

アンコール用に準備をはじめた曲のある箇所で、トレーナーの先生が数え間違え、こちらが正しかったので、ひそかに溜飲を下げた思いがしたが、次の箇所では、今度はこちらが数え間違えて入ってしまい、トレーナーの先生がニヤリと笑った。がっかりだった。

ベートーベンの交響曲7番の最終4楽章を弾き終わったとき、だれかが「ブラボー」と声をあげて、笑いが起こった。本番でもそういう声があがるといいのだけど(もちろん、客席から)。

土曜日、別オケの練習。こちらの本番はまだ少し先。シューマンの1番「春」の2楽章が美しい。

schumann1-1-245.png シューマンの交響曲1番1楽章のアレグロに、譜例(246小節)のようなパターンが延々25小節間続くところがあって、さっそく先日聴講したメネセス先生のマスタークラスが役に立つ。つまり、はじめはゆっくりのメトロノームで8分音符の重音(A-E)を4つずつ弾く練習をして、それから徐々に楽譜通り弾くようにする、ということ。

日替わりエチュードはシュレーダー150番、138番a、127番。あいかわらずバッハの4番プレリュード。

ヨーヨー・マ日経インタビュー

ヨーヨー・マが来日して日経のインタビューに答えた映像と記事が出ていました。

ヨーヨー・マ 新盤バッハ「無伴奏チェロ組曲」を語る [日経スタイル 18.10.27]

ヨーヨー・マが今年、人生3度目のバッハ無伴奏チェロ組曲全曲の録音を発表した思いとは何か…リンク先からインタビュー全文が読めます。

インタビューの日付は不明ですが、バークレーの野外音楽堂で7千人を前にバッハの組曲を弾いた9月30日のコンサートの話が出てきますから、10月のいずれかの日でしょう。

最新のヨーヨー・マの思いが日本語でまとまって読める記事として貴重だと思います。

Mステに高嶋ちさ子と6人のチェリスト

きょう11月2日放送のテレビ朝日系列「ミュージックステーション」に、DA PUMP、NMB48、平井堅らと並んで、 バイオリンの高嶋ちさ子さんと6人のチェリストが出演して生演奏するそうです。 演奏するのはP.マッカートニー"Live and Let Die"(1973年映画「007死ぬのはやつらだ」)。

これは、7月に「題名のない音楽会」で高嶋ちさ子さんと古川展生さんはじめ7人のチェリストで演奏したのが好評だったのでもう一度、ということでしょうね。 このときは7人でしたが今回は6人ということで、どなたが出演するかわかりませんが(*)…この番組にチェリストが出演するのはあの2 CELLOSの例もあるものの、画期的なことではないかと思います。

高嶋ちさ子さんが学生時代からチェロに魅せられていたらしいことは前にも書きましたが、チェロ界を引き立てる強力な味方になってくれる存在だと思ってたのもしく見ています。

(*追記) 放送見ました。出演したのは古川展生さん、佐山裕樹さん、大宮理人さん、小林幸太郎さん、西方正輝さん、江口心一さんの6人かな。高嶋ちさ子さんは「イケメンじゃなく、ちょっとポンコツだけど一流のミュージシャンたち」と紹介。生演奏なのにさすがの演奏でした。

(さらに追記) そういえば、来週11月10日の「題名のない音楽会」は、高嶋ちさ子さんも出演して2 CELLOSが登場する回ですね。

ヨーヨー・マが第1次大戦100年式典で演奏

ヨーヨー・マは、第1次世界大戦(1914-1918)の終戦から100年を記念して今月11日にパリの凱旋門で行われる式典で演奏することになったそうです[AP-ワシントンポスト]。

ヨーヨー・マはこの式典で「偉大な国際的アーティストたち」の代表として、凱旋門下の無名戦士の墓の近くで演奏するとのこと。ヨーヨー・マは1955年、パリ生まれ。

このほかに式典ではEUユースオーケストラが演奏するほか、アフリカの旧フランス領ベナン出身の歌手アンジェリーク・キジョーが、フランスのために戦って亡くなった植民地の兵士たちに捧げる歌を歌うことになっているそうです。

ヨーヨー・マがこの歴史的な式典で何を弾くのか、注目です。