善福寺手帳

ぜんぷくじてちょう

BBCプロムスで4人のチェリストが協演

先週から始まったイギリス最大の音楽祭BBCプロムスで日曜日、先日のロイヤルウェデイングで演奏したシェク・カネー=メーソン(19)をはじめとしてBBCの若手音楽家コンクールの歴代優勝者4人のチェリストたちの協演があったようです。15日夜、ロイヤル・アルバートホールで行われた公演で、左からナタリー・クライン(1994年優勝)、ガイ・ジョンストン(2000年)、シェク・カネー=メーソン(2016年)、ラウラ・ファン=デル=ヘイデン(2012年)の4人によるジョバンニ・ソッリマ作曲「チェロよ歌え(Violoncelles, vibrez!)」の終曲部分。

この演奏、イギリス国内のかたはBBCのサイトからオンデマンドで全曲を見ることができるらしいですが、日本からだと見ることができず、残念。

ガイ・ジョンストンは2年前に来日してN響と共演したはず。ラウラ・ファン=デル=ヘイデンは8月に来日してすぐ近くの武蔵野市でリサイタルがあるそうなので聴きにいくことにしています。

イギリスでも、BBCのコンクールでこうして着実にチェロのスターを輩出しているわけですね。

***

ザ・エージェント [追記] 上のBBC Promsのツイートで
"You had me at cello"
というのは何か特別な言い回しだろうか?と思って調べたら、これは
"You had me at hello"
のもじりで、1996年トム・クルーズ主演の映画「ザ・エージェント」(原題Jerry Maguire)でトム・クルーズのプロポーズに対してレネー・ゼルウィガーが言うセリフ。「(ハローといって)出会ったときからあなたに決めていたわ」というような意味。だから、"You had me at cello"は「あなたはわたしをチェロでとりこにした」というような意味でありましょう。

エキストラ本番

酷暑の三連休最終日、エキストラとして参加したオーケストラの本番。

このオーケストラには、所属オーケストラと同じ指揮の先生というつながりで、今年2月に依頼をいただき、3月から練習に参加してきた。所属オーケストラより若くて上手な社会人オーケストラで、エキストラには毎回アマチュアでも精鋭が加わることをチェロのつながりで知っていたから、自分なんかが加わってどうしたら役に立てるか、ということはずっと頭の片隅にあった。

決めていたのはとにかくできるだけ練習に参加することで、それが自分がこのレベルに加わるためには必要なことだと思ったし、 団員のチェロが少ない中、合奏練習でチェロパートに穴をあけないことで役に立てるんじゃないかと思ったからでもある。 若くて上手なチェロは皆掛け持ちで忙しい。

実際、練習に行ったらチェロが一人だけということも一度ならずあった。 チャイコフスキーの交響曲第5番2楽章にあるチェロの旋律など、まるでチェロ協奏曲状態(これは所属オケでこの曲をやったときにもあった)。それでも他のパートのメンバーにとっては少なくとも「いないよりはましなチェロ」になれたのではないかと思う。

結果的に3月から本番まですべての合奏・分奏練習に参加した。 本番前の1ヶ月間続いた猛暑の中の練習は正直ちょっときつかったけど、ここまで来て休むわけにいかない。 180716.jpg

練習に参加するたびに、打ち解けて話してくれる団員の方も徐々に増えて楽しかったし、明るい雰囲気のこのオーケストラのことが好きになった。

また、練習のたびに色々な人とプルトを組み、裏に回ったり表になったり、その日によって違う人の楽譜で弾いたり、 所属オケでは気がついたことがなかったことをプルトを組んだ若いチェロから指摘されたり、といったこと一つ一つが勉強になった。

それに、これはあまり言うことではないけど、遅くなってチェロを始めて、それがこうして別のオーケストラにも参加させてもらえるようになって、ひとつ本番まで迎えられた、ということは、個人的に「ちょっとしたこと」だった。

***

本番は川崎市の新しいホール。まだエンドピンを刺した穴の少ないステージにぐっとエンドピンを刺すのは気分がよかった。 この日使った1階席だけで約1千席はあるのだそうで、それがかなり埋まっていたから、暑い日だったのにかなりの盛況。

曲目はウェーバー「魔弾の射手」序曲、シューベルトの交響曲「未完成」、それにチャイコフスキーの交響曲第5番。 チャイコフスキーの5番では、終わった瞬間、ブラボーでなく、"Yay!"なのか"Yeah!"なのか、 まるでジャズのライブで掛かりそうな掛け声が複数かかったのは少し驚いたがうれしかった。 盛大な拍手に続いてアンコールは、同じチャイコフスキーで華やかな歌劇「エフゲニー・オネーギン」のポロネーズ。

ピアノトリオ本番

kokaido180714-2.jpg 猛暑の三連休初日、あるピアノの発表会でメンデルスゾーンのピアノ三重奏曲第1番第1楽章を弾かせてもらう。同じオーケストラの三人。オーケストラではバイオリンを弾いている方の本職がピアノの先生ということで、こういう機会をいただけることになった。

地元の公会堂の小ホールでは前にも弾いたことがあって、ステージで弾いた音が飛んでいったきり返ってこず、周りの音が小さく聴こえる印象があったので、それに怖気づいてさぐりさぐり弾いてしまわないよう、思い切って弾くことを心がけたつもり。今年の一月にレッスンしてもらったことをずっと柱にしてきた。

ピアノのかたたちは皆優しくて、「すてきでした」とほめてくれたけど、どうだったか。この曲は月末にもう一度団内のアンサンブル発表会で弾く予定。

このピアノの発表会、メンデルスゾーンのトリオに続いてプログラムの最後がラフマニノフのチェロソナタの第3楽章で、このチェロのかたの音も素敵だったのだが、ピアノの発表会にこうして他の楽器との共演をいれてくれるのも素敵なことだと思った。

(そういえば、このラフマニノフのチェロソナタをピアニストのアンコールに弾いた例があった)

三連休はこのあと別オケで本番。がんばります。

今週の練習

日替わりエチュード、ポッパーの12番、28番。 先週末のオーケストラの練習ダブルヘッダーで力を入れたせいか、左手人差し指の痛みが再発。 日々の練習量を少しセーブする。

来週末の3連休は、ピアノの集まりでメンデルスゾーンのピアノ三重奏1番1楽章、それから、この春からお手伝いさせてもらっている別オケでいよいよ最後の練習と本番を迎える。

ストラディバリ vs ガルネリ

スペインのチェリスト、パブロ・フェランデス(27)がストラディバリとガルネリのチェロを弾き比べ…

パブロ・フェランデスは2015年チャイコフスキー・コンクールのファイナリストなど活躍中で、すでに何度か来日もしているチェリスト。このストラディバリウスのチェロは、彼が日本音楽財団から貸与を受けている1696年製「ロード・アイレスフォード(Lord Aylesford)」。ガルネリはJoseph (Giuseppe) Filius Guarneri 1694年製のチェロ。

これほどの名器を、動画を通してとはいえ、すぐ近くで見て聴き比べられる機会はそうはないかも知れません。 こうして並べて見ると、ストラディバリウスのほうがずいぶん大きいんですね…肝心の音のほうはヘッドホンか何かで聴いてみるほうがいいかも。

「カザルスの日」のソル・ガベッタ

エルガー:チェロ協奏曲&愛の挨拶 先月、スペインのバルセロナであのパブロ・カザルス(1876-1973)を記念した「カザルスの日」というイベントが開催されたそうで、その中のコンサート企画として6月12日、世界遺産にもなっているカタルーニャ音楽堂で行われたソル・ガベッタのリサイタルがオンデマンドで聴けるようになっていました。オーストラリアABC放送のクラシックFMで7月1日に放送されたもの。

Pau Casals Day: Sol Gabetta in Recital [ABC Classic FM]

diada_casals.jpg 曲目は、シューマン「5つの民謡風の小品」(バルセロナのお客さんは熱がこもっていて、1曲ごとに拍手)、ブリテンのチェロソナタ、それにショパンのチェロソナタで、1時間ちょっとのリサイタル。アンコールは、ファリャ「7つのスペイン民謡」からナナとポロを続けて。ピアノはBertrand Chamayou。 写真はカザルス財団のフェースブックから。

アンコールのファリャ(Manuel de Falla, 1876-1946)の経歴をあらためて見ると、カザルスと同じ年に生まれ、晩年にカザルス同様フランコ政権から逃れてアルゼンチンに亡命した人だそうですから、アルゼンチン生まれのソル・ガベッタが「カザルスの日」のアンコールで弾くのにまことにふさわしい選曲だったわけですね。

チェロの逆弾き

ニューヨークで、コンテンポラリー音楽を中心に活動しているJACK Quartetという弦楽四重奏団のチェリスト(チェロ本体を持っているほう)、ジェイ・キャンベルさん。

相当難易度が高そうに思いますが、うまいものですね…。

(アメリカのチェリストのかたがシェアしていたので知りました)

今週の練習

例年より早く7月にも入らない29日に梅雨明け。土曜日と日曜日、本番の近づいた別オケの練習。 日曜日は所属オケの練習も。夏、チェロを持っての練習場所の移動は、こんなに暑く大変だったか、とあらためて思い出した。

日々の練習では、オケで毎回注文がつくポイントも絞られてきたので部分練習中心。 その前に日替わりエチュード。ポッパーの7番、18番、25番、31番、8番。 このポッパーが、どれのどこがとはわからないけど、オーケストラの(時には)理不尽な指使いをこなすいい準備(そればかりではないが)になっているような気がする。

この他に、バッハの4番プレリュードとサラバンド。7月はちょっと忙しいけれど、7月が過ぎたらレッスンで見てもらう先生を探そうと、あいかわらず思っているところ。 bremer.jpg

練習で立ち寄った元住吉駅前の「ブレーメンの音楽隊」像。ドイツ・ブレーメン市との友好提携によるとのこと。なのに、元になるグリム童話(ロバ、イヌ、ネコ、ニワトリが一致強力して自分たちの生活を切り開く)をよく知らずに、家で「ブタの三段重ねみたいな像が…」と話してたいそう笑われた。

ウィンブルドン2018ドロー

ワールドカップが盛り上がっていますが、来週から始まるウィンブルドンドローがきょう発表されていました。

男子シングルスのシード配置は:wimbledon.jpg

フェデラー v アンダーソン
チリッチ v ディミトロフ
(ティーム v ジョコビッチ) v (A.ズベレフ v (キリオス v 錦織))
デルポトロ v ナダル

第24シードの錦織圭選手は3回戦キリオス、4回戦A.ズベレフと当たるブロックで、これらに勝つと全仏で敗れたティームが(たぶん)準々決勝で待ち受けているので、なかなか厳しいドロー。日本勢男子では他に杉田、ダニエル太郎、西岡が出場。復帰のマレーはデルポトロのブロックで1回戦ペールと。ワウリンカは1回戦ディミトロフと。

女子では、大坂なおみ選手が第18シードで3回戦でケルバーと当たる組合せ。

ヨーヨー・マが“最後”のバッハ無伴奏チェロ組曲全曲をリリース

ヨーヨー・マバッハの無伴奏チェロ組曲全曲の録音を今年8月リリースし、同時に世界六大陸でバッハの組曲を演奏する2年間のツアーを開始するそうです。きょう22日、ツイッターフェースブック公式サイトなどで同時に発表されていました。下はこの中から公開された組曲3番からブーレ。※後日追記

Six Evolutions (6つの進化) と題するこのアルバムは、ヨーヨー・マ自身、これがバッハ組曲の「最後の録音(my last recording of the suites)」と言っており、これによりどうしたら文化がわれわれ現代人が求める答えの源泉になりうるか──これは今年1月のダボス会議など最近のヨーヨー・マが繰り返し問題提起していることですが──の議論が起こることを望んでいる、ということです。

ヨーヨー・マのバッハの組曲全曲録音は、1983年、1998年についで3回目。今回のアルバムの発売予定は今年2018年8月17日だそう。右はアマゾンへのリンク。

これはもちろん聴きたいと思う半面、まだ62歳のヨーヨー・マから「最後」という言葉が出ることにちょっと感慨があります。